赤色の桜-短編-
「え-。じゃあ、班の中で役割分担をして提出してください。」
先生は用だけ伝えると席へ座りパソコンをいじりはじめた。
(これだから..この高校に着たくなかった。)
「野村さん..だよね??」
突然、前の席の子に話しかけられた。
「あ。うん。そっちは?」
「戸田嘉穂。よろしく。嘉穂でい-よ★」
「あたしは涼子でいいよ。」
嘉穂と他愛もない話をしていくうちに、さっきのカレンとの会話を思い出した。
「ね。あそこの桜、赤色に見えない??」
「...え?涼子。頭大丈夫??」
嘉穂は不思議そうにそう言った。
「え..?見えないの?」
「あったりまえじゃん。桜=ピンクでしょ?」
「..そっかぁ..」
「あ。でも聞いたことがある。」
「え?どんな話?」
涼子は普段、こういう話にくいつかないけど、何故か興味を持った。