【短】クリスマスは…甘い夜?
甘い夜
言葉とともに開けられた小さな箱。その中には指輪が入っている。
う、うそ!これって本物?
思いもしなかったことに私はただただ驚くばかり。
「返事は?」
一樹が困ったような顔で私を見ている。
「え、あぁ..その.....。」
上手く言葉が出てこない。その代わりに、嬉しさと不安が溢れてきた。
「わ、私でいいの?」
私なんてドジだし、何の取り柄もないし…。それに…自信ないよ。
止まっていた涙がまた溢れ出した。すると、泣いている私の頬を一樹の大きな手が優しく包んだ。そして、ゆっくりと溢れ出している涙を指で拭った。
「お前がいいんだよ…花梨。」
『だから返事は?』
そう言ってふんわりと笑った。