【短】クリスマスは…甘い夜?
「大丈夫?一緒に帰ろうか?」
定時の6時になり、仕事を終えた私たち。私と家が反対方向の真緒は、私を心配して声をかけてくれた。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
私は笑顔で答えた。本当は一人は寂しかったけど、もう真緒には心配かけたくはない。
「そう。…じゃぁ何かあったら電話してね?」
最後ににこっと頬笑み帰っていた。
一人になった私。空を見上げればたくさんの星が輝いている。
本当なら一樹とこの空を見上げていたかもしれないのに。そう考えるだけで視界が涙でぼやけてきた。
今日の私は泣いてばかり。こんなに涙もろかったっけ?
涙を拭い家に向かう。街を歩いて行くと、目に飛び込んでくるのは綺麗に飾られたクリスマスツリー。そして、ツリーだけでなく街全体がクリスマス一色だった。
すれ違う人たちはみんな家族や恋人同士。一人で歩いているのは私だけな感じがした。