恋愛難民
今日は天気もいいし
あったかいし…
布団干してきてよかったわ


ここ最近、曇ってばかりだったからなぁ

なんて思いながら、患者さんの部屋のカーテンを開けた。

すると反対側の窓から園田が手招きをしていた。


焦っているような はにかんでいるような
微妙な笑顔で…。


とりあえず行ってみることにした。





「どうしたの? 」

「あのさぁ… おねがいがあるんだけど…
今度、合コンするからさぁ ピュ~
誰か女の子二人連れてきてよ」


そういうことかい。

プライベートな話をするためにわざわざ呼び出したのか…


「まぁ
別にいいけど」

「ぐふっ…よかったぁ ボクってこうみえて 臆病だから心配だったんだぁ…
合コンて、はじめてだし」


園田の顔を見ながら飯を食うなんて、気が引けたけど タダ飯となったら 行くしかないっしょ。


あいつはお金をしこたま溜め込んでるらしいからな…
しめしめ

今時、「シメシメ」なんて言わないか…

心の中で舌をだす。
あくまでポーカーフェイスなんだけどね

「わかった じゃあ また日にち決まったら連絡して こっちも声かけとくから」


そういうと、園田はハニカミ笑顔で大きな体を揺らしながら喜んだ。

「じゃあ あとでメールするから ピィ~」


ノリノリじゃん 園田。

こいつが合コンでどんなふうに変貌するのか たのしみだ。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop