ぬいぐるみに恋する少女



「あはは…ちょっと椅子につまずいちゃって…」



「美咲、血が出てるよ!?」



「大丈夫、大丈夫♪いたたたっ。」



すると、池田が紳士のように橘に声をかけた。





「橘さん、俺がおんぶして保健室へ連れて行ってあげましょうか?」




橘は池田を見てぼそりと言った。




「佐藤くんがいい…。」



池田は一瞬固まり、振り返って俺に言った。



「だとよー、王子様。」



そんな泣き顔で俺を見るな。




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