ぬいぐるみに恋する少女
「・・・・・。にしても、そこで突っ立ってると、お前の執事みたいだな。」
池田は席に座り、須川をちらりと見る。
どうやら、席に座っている俺のすぐ斜め後ろに須川は行儀良く立っているのが面白く感じるらしい。
「いや…女だから執事ではなくメイドか…。」
池田は須川のメイド姿を思い浮かべたらしい。
まんざらでもないように顔がニヤケている。
確かにルックスは女の子だからな。
「池田くん、須川さんをいやらしい目で見ないでちょうだい。」
俺はオバサン風に手を下に下げる。
「いやいや、見てないですよ。妄想してただけ。」
「どっちも一緒だから。」
そう言って、俺は須川をちらりと見た。