ぬいぐるみに恋する少女



須川はボケっとした顔でくすりとも笑わない。



「お前も会話に入ってきていいんだからな。」



須川はコクリとうなずく。



その姿を池田はじっと見て、口を開いた。




「こいつ、お前の前じゃちゃんと話すの?」



「えっ?ああ。」



「もしかしたら、こいつ、お前と二人きりになる以外じゃ喋らないかもな。」




確かに…心当たりはたくさんある。



「どうして?」



振り返って須川に聞くと気まずそうに顔をゆがめる。



< 173 / 327 >

この作品をシェア

pagetop