ぬいぐるみに恋する少女



「佐藤くん。」


レクレーションの時間。



俺は先生に呼ばれた。


外でドッジボールをしようという話になって


外に出かけようとした時だ。




こんな楽しい時に

申し訳ないような先生に何かある。




「須川さんのことなんだけど…」


出た、須川。



「俺も須川さんに話しかけましたけどダメでした。」


って言うのはウソ。


話してねぇけど分かる。




「もっと他の奴に頼んだほうがいいんじゃないですか?


例えば…須川さんの近所の人や幼なじみ人など。」



こんな縁もゆかりもない赤の他人の俺に

いちいち手間をかけさせるなってこと。


俺は俺で忙しいの。



「須川さん、今年から引っ越してきたの。

今は子供養護施設に住んでいるわ。」


げっ、選択肢全部を消去された。



「じゃあ、他の施設の子は…?」


「みんな須川さんを怖がって近寄らないらしいわ。」



はぁ…まいったものだ。




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