雨音
誰かとずっと電話でしゃべってる。



「うん。・・・てめぇ・・・わかった。」


単語単語で何言ってるのかわかんね~。



あ!終わったみたい。



「うん?どうした?雨音ちゃん。」



聞いた直後「あぁ~ね」って顔した。



『どうしたの?』



「ダチだろ?まぁ、オレ嫌いだけど。」



高くてハスキーな声が低く耳に響く。



コワ・・・。


『あ!龍!あれとって!』



あたしが指さしたのは、かわいいぬいぐるみ。


「いいよ、いいよ!余裕だし!」


戻った・・・。無邪気な龍に戻った。


かわいいんだから。



「とったよ~!すごいでしょ?」



『きゃ~!ありがとう!これ大好きなんだ。』


「ホント?そうなんだ。覚えとくね。」


・・・?


覚えとく?


もう2度と逢うことがないのに?
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