Cup Cake -甘くて苦い恋の味-
普通にやればできることさえできないあんたが好きで。
たった一つの言葉に、動揺しちゃうくらい。
大好きだ。
ふと、後ろを振り返っても。
誰もいなかった。
追いかけてきてくれない。
そうだよね。
丸山は、なんとも思ってないんだもん。
私のこと。
忍崎と付き合えば良いって、言ったくらいだもん。
むかつく。
「…っばか…!!!!」
公園にあったベンチに座り込んだ。
涙を流して、言い様の無い気持ちを吐き出した。
ベンチのように、心は冷たくなっている。
「俺はどうすりゃ良いんだよ…っ」
悔しそうに顔を歪め、食材を適当にかごの中に入れている。
ヤケクソ。
そんな言葉が一番あっていた。
「京兄こわっ
そんなんなるくらいなら、あんなこと言わなきゃよかったのに」
「うるっせえ」
小さく舌打ちして、レジに向かった。
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