Cup Cake -甘くて苦い恋の味-
甘くて苦い君の味。
「…ごめん、唇」
そう言って、丸山は私の口端を舐めた。
ちょっとしみる。
てか、さっきから恥ずかしいなあ、オイ
私たちは、東校舎の踊り場で抱きしめあっている。
「でも、料理ヘタなふりをしたのはそれだけじゃねーんだ」
「?」
「お前のケーキって、不思議な…優しい味がするんだ
俺の出せない味。
その秘密が、知りたくて」
「そんな味…しないと思うけど?」
するよ、そうつぶやいて、また丸山はキスをした。
も、もー!
キス魔か!
「恥ずかしいって…!!」
「可愛いね、奈美。
まっか。」
ついむかついて、あたしは仕返ししてやろうと顔をまん前に持ってった。
「!な」
「ばか京太!」
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