神様の悪戯



小学校の高学年になると、父の代わりに家事をやり始めた。


そんなに器用じゃなかったけど、父の負担を少しでも減らしたくて…掃除も洗濯も、料理も出来る事は全てやった。



その生活は変わる事なく時を重ねた。


今じゃ、家事全般なんでもこなせる。

料理だって、レパートリーも大分増えた。


それは、大変だと思う事はあっても、苦じゃなかった。



だって、それまでは父が私の為に仕事の傍らでこなしてきた事だから。



父が注いでくれた愛情を少しずつ返したかった。



子供の私が出来る事なんて限られてる。


目に見える形で。


後は…周りから。


片親だからといじめられる事。

片親だからと人間性を問われる事。

そして、片親だからと何かにつけて劣っていると思われたくなった。



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