神様の悪戯


4限目は旧校舎での授業だった。


その帰り、ちょっとした事件が起きた。

それは、自分達の教室がある新校舎に向かう途中の出来事。







廊下の向こうから1人の男性が歩いてくる。


女生徒はその姿を見つけて、声にならない歓声を上げる。

隣の美羽もその内の1人だった。



そんな生徒を気にもかけず真っ直ぐこっちに向かってくる。



嫌な予感的中。



その人は私の前でピタリと止まった。


何事かと男子も含めざわつく生徒達。

女子からぶしつけに注がれる視線が痛い。



「星野さん、突然で悪いが午後の授業で伴奏頼める?これ楽譜。初見で弾けるようなのばかりだから…よろしく」

差し出された楽譜とその人を交互に見やり私は黙ったままとりあえず、それを受け取った。



.
< 47 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop