神様の悪戯



それは私物がなくなる事から始まった。


教科書。

上履き。

体操服。



どれも探せばすぐに見つかるところにあってまるで遊ばれてるような気がした。

余計に気分が悪い。



美羽は私を心配して、今まで以上に私と行動を共にするようになった。



古典的で悪質。

私に対してなんらかの思いがあるなら、直接言ってくれば良いのに。


全ては弱い人間のする事。



幸い、先生方には気付かれていない。

本格的に進路を決めなきゃいけない大事な時期だ。


こんな事くらいで、騒ぎにはしたくない。


相手が飽きるのを待つしか、今は出来なかった。




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