神様の悪戯



放課後、生徒会の仕事の為に残った私。


『待つ』と言って聞かない美羽をなんとか返して1階の生徒会室に向かう。



それは、1階と2階の踊場まできた時だった。





――――¨ドンッッ¨――





突然、背中に強い衝撃を受けた。


それは物が当たったのではなく、明らかに人の手。

わずかに足音も聞こえる。


そんな事気にしてる場合じゃないのに。




とっさに手すりを掴もうとしたけど遅かった。


体が斜めになる。


全てがスロー再生の映像みたい。




“落ちるッッ”



やがてくるであろう衝撃に備えて、ギュッと目を瞑った。





けれど、冷たい階段も、堅い床もやってはこなかった。


代わりに、暖かい何かに包まれてる感覚。


全てが一瞬の出来事で。


でも、状況は容易く理解できた。




誰かに突き落とされた。

正確には突き落とされそうになった。

そんな私は、誰かに助けられた。


『誰か』って、誰……?




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