神様の悪戯



「…あの?大丈夫ですか?」

呼び掛ける声。

「ぇ、あっ…ごめんなさいッ!!」


離れようとしたのに、距離が縮まる事はなかった。



あれ…?



開いた視界に赤いネクタイが映る。


ウチの学校は学年ごとにネクタイが色分けされてる。


青は3年。

深緑は2年。

赤は1年。


つまり、私を助けてくれたのは1年生…。


顔を上げると、心配の色を浮かべた大きな瞳と目が合った。




「華恋先輩…ですよね?」



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