神様の悪戯
もちろん、本音なんか言うわけない。
適当に答えてその場をやり過ごそうとした。
最もらしい答えを並べて、納得させようとした。
結果的に本音っぽい嘘をアイツはすんなり受け入れた。
まだまだガキだな…そう心ん中で笑いながらも、願う俺がいたんだ。
アイツについた嘘が嘘でなくなる事を……
華恋、あの頃の俺は
不確かな未来に不安を抱えてた。
大人になりきれない自分が歯がゆくて仕方なかった。
気付いてないかもしれないから、教えてやるよ。
俺の言葉を聞いたお前は、頬を染め小さく微笑んだんだ。
その笑顔に、俺は生まれて初めての感情を抱いた。
守りたいモノができたんだ。
落ちていく、どこまでも。
堕ちていく、どこへでも。
神様の悪戯は人をも変えられるのか…?
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