神様の悪戯



悪趣味としか言いようがない。


悪意を持ってやっていることは間違いなかった。




私と美羽に気付いたのか周りに空間ができて、生徒達が数歩距離を空ける。


今までニコニコしながら声をかけてきたはずの女の子達もただ黙って行方をみていた。




そーゆー事、ね…





わざと周りに聞こえるように溜め息を吐く。


「美羽、先教室行ってて?」

背中をそっと押す。
それが何を意味するか彼女は分かってる。

頷いてその場を離れた。




さてと…


目の前には掲示板への一本道。

やる事は一つしかなかった。



一歩、足を踏み出す。


けど、私が手を伸ばすより先に横から伸びてきた大きな手がそれを掴んだ。




ちッ…


小さく舌打ちをしたのは私しか気付かなかっただろう。



手で掴んだそれを¨グシャッ¨と丸める。

静まり返った生徒達に教師らしい言葉を投げた。


「お前ら何してんだ?もうすぐ授業始まるから、教室行け」



その声に、一人二人と散っていく生徒達。


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