神様の悪戯
減っていく生徒達をただ眺めるしかできない自分。
はがゆかった。
伸ばしかけた手を下ろし、ぎゅっと握った。
「星野、お前も教室戻れ」
突然、呼ばれて気付いた時には私と声の主、
藍紫兄さんしかいなかった。
「…はい。あの…なんで?」
私は握りつぶされた写真を指差して問いかけた。
「はぁ?…ああ、別に理由なんかはねぇよ。それより、早く行け」
面倒くさそうに眉間にシワを寄せながら腕時計を示す。
やっばい……
慌てて走り出したけど、私はすぐに足を止めた。
私、ちゃんとお礼言ってない。
振り返って、少し驚いた。
だって、藍紫兄さんもこっちを見てたから。
・