神様の悪戯
―――グイッ。
突然、強い衝撃と共に、私の体は半ば抱き寄せられるかたちで倒れた。
離れたはずの大きな手で彼の体に後頭部を押さえつけられる。
「やっ…ちょっ…はな、して…」
いくら力を入れてもびくともしない。
諦めてじっとしてると、洗い立てのシャツ越しに藍紫兄さんの温かさが伝わった。
それが、なぜかまた私の心を締め付けて、
止まることない涙は彼のシャツに大きなシミを作った。
「ったく、いちいちうるせぇ…。ごちゃごちゃ言ってないで、泣きたいなら泣けよ?今あった事、すぐに忘れてやるから…」
かけられた言葉は決して優しくなんかなかった。
偉そうで、こっちの事なんかお構いなし。
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