乱舞緋色の月夜‐ヴァンパイアと恋に‐
壱
私の家系は代々ヴァンパイアハンターである
そして父が亡くなった今、私が最も有力なヴァンパイアハンターと言っても非はないだろう
私は生まれた時から、【運命の子】として育てられてきた
女らしさなんて捨てた
私が目指すべきは、父が果たせなかったヴァンパイアの王の討伐
絶対に倒してみせる
私の父を…、亡き者にしたカタキだ
「生琴【ミコト】、もういくのかえ…?」
「あぁ。
今夜はヴァンパイアどもの絶好の狩り時。
血が騒いでるんだ。」
「生琴…絶対怪我はしたらいかん。
女の子なんだから…顔には絶対…。」
「五月蠅い。
女という性別はとうに捨てた。
今度私を女扱いしたら、身内であろうとただじゃ済まんぞ。」
「……。」
「じゃあ行ってくる。」
私はそう言い残し、家を出た