君じゃなきゃ意味が無い
その時、玄関から声がした…

『ただいまぁ…ちょっと早く帰ってき……何してんの?;;』

唖然としている私を見て驚く裕亮…

…もう駄目だ…私…彼女失格…

自分の駄目さ加減に愛想尽き、涙が次々と溢れ出す…

『え?;;弥恵?どーした?火傷したのか?』

慌てて駆け寄り、私の手を見る…私は泣きながら首を横に振るしか出来なかった…


『……ケーキ…作ろうとしてた?』

『ウッ…昨日…出来た…のに…ヒクッ…一人じゃ…出来な…ヒーン』

『はぁ…馬鹿弥恵;;心配させんな;;そんな事で泣かないの☆』

裕亮は困ったように笑いながら、袖口で私の涙を拭いて行く…

『そんな…事じゃ…無い…もん』

『クスッ…頑張ってくれたのは嬉しいけど、俺が欲しいのは、チョコとかケーキじゃなくて、弥恵からの言葉なんだよ?』
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