幸福はきっとあなたのもの
拭かない涙
俺が気まぐれで訪れた[清掃中]と
立て掛けられたホールのなか。
ただ、静かに涙を流す人影を見つけた。
「…っ……」
綺麗な、泣き顔。
一瞬で目を奪われた。
次々と流れてくる涙を気にもしないで、
ただ遠くを眺める瞳。
泣き方を知らない不器用な人…
濡れたその双眸は、
悲しみを色濃く湛えていた。
そして次の瞬間、…俺は恋に落ちたんだ。
「…見てんじゃないわよ」
この言葉で。