幸福はきっとあなたのもの
勢いよく、二人は駆け寄ってくる。
とっさに咲雪は俺の腕をとり、
誰もが騙されそうな作り笑いを浮かべた。
「…は??"」
「お姉ちゃん、聡さん。
ばったり会うなんてすごい偶然ですねー」
「そうねえー」
状況が理解できない俺をおいて
楽しげな会話が飛び交う。
「もう、聡くんたらー」
「あははははー」
全く読めない。
この状況が…
それでも、
お姉さんが聡さんの話を楽しそうに話す度に
咲雪の瞳が揺れることには気付いていた。