幸福はきっとあなたのもの
「……咲、雪?」
嫌われたんだろうか?
何も反応してくれないと、
不安が
足もとからはい上がって来る感じがする。
「あたし…弱いから、利用しちゃうよ」
やっと返ってきた言葉は、震えていた。
「いいよ。」
震えを止めてあげたくて
俺は出来るだけ優しい声音で囁く。
「傍にいてくれても、
…忘れられなかったら?」
揺れる瞳。
「それでも良いし…
俺は咲雪が忘れられるまで、
傍にいたいけどな。」
俺は、見上げてくる不安そうな愛しい人に
ニッコリと微笑みかけた。