幸福はきっとあなたのもの
「咲雪さん。
俺と、結婚して下さい。」
大きな花束を恭しく差し出し、
俺は咲雪にそう告げる。
やっと言えた、言葉。
強がりで、不器用な可愛い彼女。
真っ赤な顔をして俯いてしまった咲雪は
ゆっくり顔をあげ、
「…ぅん」
花束を受け取り、
物凄く小さな声で了承してくれた。
「…今度は、
他の誰でもなく俺が支えるから。
幸せにするよ?」
愛しい存在を確かめるように、
でも脆い彼女を壊してしまわないように
俺はそっと抱きしめた。