幸福はきっとあなたのもの
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『水瀬…咲雪?』
胸についたネームプレートを見て俺は
名前を呼んだ。
「……は?」
あきらかに不機嫌な咲雪の声。
しかし、顔をみてみると
「…ぶっ、あははは」
俺はその場で、
腹を抱えて笑いだしてしまった。
だって、答えた声は強気だったけど
俺があの日自分の泣き顔を見たやつだって
気付いた途端、
耳まで真っ赤にしたから。
泣き顔見られたの、
結構恥ずかしかったんだなー。
可愛い何、この生き物!
緩んだ顔がなかなかもとに、
戻らない。
「っ…なんだよ」
ゴッ
「…いっー!」
しかし、
俺の緩んだ顔は一気に、青ざめた。
モップで突かれたんで。
みぞおちをね……、
しっかり狙ってたよ。
このおてんば娘め~。
俺が、床に突っ伏すと鼻をふんと鳴らし
仕事を再開してしまった。
それからも、
多々こんなことがおきました。
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