幸福はきっとあなたのもの
「そっか、そっかぁ。
じゃあ、今度花束もってくるよー」
温かい眼差しをむけ、俺はそう言った。
真っ赤になって頷く咲雪は
可愛すぎると思う。
思いつきの質問だったけど、
咲雪の好きなものを発見することが出来て
良かった。
けど、調子にのって
頭をぽんぽんと撫でた途端、
さっきまでの可愛らしい態度とは
打って変わり
思い切り手をはねのけられてしまった。
その表情には、
… 傷ついたような色がある。
「え…、ごめん?」
戸惑いながらすぐに謝るも、
咲雪はモップを片付け行ってしまった。
「あー、やっちゃった。俺…」
咲雪が去ったあとでも、
俺はその場に立ち尽くしていた。