青空の虹
このパターンがもう暫く続くのか………。


「みんなばらばらで動いてるから……」


携帯で俺の居場所を知らせ始めた。


「ごめんね。行かなくちゃ。じゃあね。」


手を挙げてその場を立ち去ろうとした瞬間、遠くから、黄色い叫び声が聞こえてきた。

最悪のパターンが始まった。

心の中で溜め息が溢れた。


「ごめんなさい。」


最初に握手した中の一人が小さな声で謝った。

それにつられ、残りの二人もはっとした表情になった。


「あ……どうしよう。騒ぎになっちゃう。」


もう遅い。

こうなったら覚悟をきめるしかない。

どうせ、この動物園内には、俺が居ることを知った学生たちがあちこちにいるということだ。

人間は集団になると恐い。


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