ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
京都府・鬼が淵。
東京よりは南に位置するためか、気温は大分高くじっとりと汗ばむような陽気だ。
からっと晴れた空には、白い入道雲がモクモクと広がっていた。
「敬にぃ、敬にぃってば!」
コンビニの駐車場に停めた車の運転席で、店内から出てきた幼い兄妹をボーっと目で追っていた敬悟は、茜の声に我に返った。
コンビニから昼食の買い出しをして戻ってきた茜が、助手席で白いビニール袋をガサガサと振ってみせる。
「え? ああ、買い出し、すんだのか」
「どうしたの? ボーっとして」
「いや、別になんでもない」
幼い兄妹に自分たちのことを重ね合わせて、センチメンタルになっている自分に、敬悟は少し自嘲気味な笑みを向けた。