ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「敬悟――」
玄鬼の呼ぶ声に、倒れ込んでいた敬悟がピクリと身じろぎをした。
「己のやるべき事が、分かっているな?」
敬悟は悲鳴を上げる体を地面から引きはがして、片膝を付いた。
肩が、せわしなく上下している。
まるで全力疾走したときのように、息が苦しい。
でも――。
「……分かっている」
敬悟はようやく低い声を絞り出すと、玄鬼に向かって顔を上げ、真っ直ぐその金色の瞳を見据えた。
「……よかろう。では力を貸せ」
敬悟は、ゆっくりと立ち上がり、静かに頷く。
ユラリ――と、
その瞳の奥に、赤い焔が揺らめいた。