ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】

玉座の変わりに鬼が出現させたのは、大きな寝台だった。


床や壁と同じ黒光りする、石の寝台。


そこに茜は寝かされていた。


それはまるで、生け贄を捧げる為の処刑台のように茜には思えた。


「もう、いい加減に諦めたら? 下手に抗っても苦痛が増すだけだよ? それとも、今までの花嫁候補達と同じ目に遭いたい?」


横たわる茜の枕元に腰掛けた鬼が、ソロリと茜の髪を撫でる。


敬にぃの声で言わないでよ、変態!


クスクスと楽しげに笑う敬悟の皮を被った鬼を、茜は精一杯の敵意を込めて睨み付けた。


でも悲しいかな、手も足も出ない。


唯一の頼みの綱のペンダントは、何の反応も示さなかった。


このまま、この胸くそ悪い鬼に好きにされてしまうの?


冗談じゃない!


キスもまだしたこと無いのに、そんなのごめん被るわっ!


「へぇ、キスもしたこと無いなんて、今時の娘には珍しいね」


ううっ。


こうなったら、いくらでも言ってやる。


変態、変態、変態!!


「何をやってるんだ、茜?」


え!?

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