ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「その石を形作ったのは白鬼だが、今そこにある力は明日香のものだ」
「え?」
どういうこと?
思いがけない玄鬼の言葉に、茜は驚いて目を瞬かせた。
「お前が生まれたとき、明日香は自分の持てる力の殆どを、その石に封印した。お前を守るために」
「私を守るため?」
玄鬼は静かに頷く。
なぜ、私を守る必要があるの?
もしも、赤鬼が狙うとすれば、それは明日香――お母さんの方じゃないの?
素朴な疑問が茜の中に生まれた。
「赤鬼は確かにその石に興味を持ち欲してはいるが、真の目的は茜、お前だ。明日香はそれを予想してその石をお前に身につけさせたんだ」
「ええ!?」
ますます分からない。
石を欲しがるのは何となく理解できるが、なぜ自分が狙われるのか全く分からない。
「眉間にしわが寄っているぞ、茜」
玄鬼が笑いながら、茜の顔を覗き込んだ。
その視線があまりに近くて、茜はどぎまぎしてしまう。
でも、肝心な事を聞かなければ。