ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
『いい年して情けない』
茜自身もそうは思うが、怖いものは怖いのだ。
窓の外が明るくなるたび、雷鳴がとどろくたびに、びくびくと体が強ばるのをどうすることも出来ない。
そんな様子を見かねた敬悟が、まるで小さい子供をあやすように、ポンポンと茜の布団を叩く。
ポン、ポン、ポン。
規則正しい、優しいリズムがゆっくりと続く。
ポン、ポン、ポン。
――敬にぃって、何だか、お母さんみたいだなぁ……。
と、茜は敬悟が聞いたら、眉を勢いよくひそめそうな事を考えていた。
不思議と恐怖心がすっと、消えて行く。
小さい頃は良くこうやって、一緒に眠ったっけ……。
暗闇がどうしようもなく怖くて眠れない夜、敬悟はずっと手を繋いでいてくれた。
そうすると安心して眠れたものだった。
そんな事をぼんやりと考えているうちに、茜は吸い込まれるように眠りの中へと落ちて行った。