ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
翌日は、昨夜の雷が嘘のような快晴だった。
どうせなら、もう少し曇ってくれた方が有り難い。
朝から、そう思わずには居られないほどの暑さだ。
「ちょっ、ちょっと、敬にぃ~~っ」
「……どうした?」
背後で情けない声を上げた茜を、敬悟が振り返った。
「少し、休もう。私、もうダメ……」
肩で息をしている茜が、『ふぇ~』と更に情けない声を上げて、その場にしゃがみ込む。
周りは、腰の高さほどの雑草が生い茂っているので、つんつんした葉っぱの先が汗ばんだ顔をちくちくと刺してきて、茜は煩わしそうに両手で払いのけた。
強い海風に乗って、岩に砕ける波の音がこだましている。
茜と敬悟は今、鬼珂島に居た。