ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
『ここから海岸沿いに四キロほど歩いた場所が、十八年前に落盤事故があった場所だ』
鬼珂島まで船を出してくれた若い漁師から教えられたその道は、決して平坦な道ではなかった。
ごつごつ岩の入り組んだ海岸は、当然通れない場所がいくつもあって、そのたびに道なき道を進んでまた海岸に出る。
その繰り返しで、もう大分日も高くなってきたと言うのに、まだ目的地にはたどり着かない。
どうせなら、目的地まで船で送ってくれたら良さそうなものだが、船で接岸できるポイントが限られていて、あいにくそのポイントは目的地から一番遠い所にあったのだ。
誰も行きたがらない島へ、例え金の為とはいえ、船を出して貰えたのだ。
それだけでも良しとしなければならない。
だが、だからと言ってこの道行きが楽になるわけではなかった。