ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
運動部だとは言っても『弓道部』
茜は、何時間もこんな強行軍が出来る体力は、元々持ち合わせていない。
その上、『もしも』の為に用意した食料や何やらが、背負ったリュックを重くしていた。
敬悟が腕時計を、ちらっと確認する。
午前10時。先刻休憩してまだ30分しかたっていなかった。
「もう少し、がんばれ。もうそろそろの筈だから。それにここは『マムシ』が出るそうだから、急いだ方がいい」
茜が『げっ』と言う顔をして、立ち上がった。
そのまま小走りで敬悟の元へ駆け寄る。
動物は嫌いな方ではなかったが、足の多すぎるのと、全く足のない生き物は苦手だ。
さすがに『マムシ』とご対面は御免被りたかった。