ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
何があっても?
どういう意味か聞き返そうとする茜の言葉を遮るように、ぐいぐいと敬悟が手を引いて行く――。
鳥居の前まで来た時、鳥居の向こう側で近付いて来る茜たちをジッと見詰めていた男が、初めて口を開いた。
低いトーンの落ち着いた声が、静かな場の空気を揺らす。
「お待ちしておりました。私は、この里の木部一族の当主に仕えています、木部上総(きべかずさ)と申します。生憎、主は不在ですが、おもてなしをするようにと言い付かっています。さぁ、どうぞこちらです」
そう言って、にこやかに二人を促す。
――うわ…。色、白い。
って言うか、凄い美人……。
茜は、遠目にも際立っていた男の肌の白さとその美貌に目を奪われた。