ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
すっとした切れ長の目は明るい鳶色で、鼻筋の通った端正な顔をしている。その唇は、肌の白さを強調するように真っ赤だった。
茜も敬悟も家系なのか色白な方だが、男の肌の白さは群を抜いていた。
ぽかんと男に見とれつつ、敬悟に手を引かれてしめ縄の下をくぐった瞬間、言いようの無い感覚が茜を襲った。
空間がぐにゃりと、歪んだ――ような気がした。
一瞬の、無重力感。
そして『目眩』に似た感覚の後、すっと体が軽くなる。
あれほど疲労していた身体が、何もなかったように回復していた。
何……?
この感じ――。
「さあ、どうぞ」
にこやかに笑う男の唇の赤さが、茜には、まるで血の色のように思えた。