ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
上総のその笑みに、茜は意味もなく背筋がぞくりとした。
そして、一気に変わる部屋の空気。
まるでピリピリと電気を帯びたように張り詰める空気は、首筋をちりちりと撫で上げる。
茜の全身が総毛立った。
そ……んな、まさか。
茜は、呆然と上総を見詰めた。
姿形は全く違う――。
あの赤鬼の身長は、二メートル以上はあった。
上総はせいぜい百八十センチ位しか無いだろう。それに骨格が違いすぎる。
でも。
茜は、玄鬼が黒い大鬼に変化する姿を目撃している。
鬼に変化する前の姿を、その異形から想像することは難しいのだと思い至った。
だとすれば。
「あ…なた、まさか――」
言葉が、喉の奥で絡んで上手く出てこない。
茜は、思わず胸のペンダントを握りしめた。
ペンダントは、微かに振動していた。
ほのかに熱を帯びてくる。