ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「じゃぁ、じゃぁ、お母さんは……?」
湧いた疑問の答えは、いとも簡単に返って来た。
敬悟の指さす先の自分の胸で光るペンダントの石を、茜はキョトンと見詰めた。
「えっ? これ? このペンダントが何?」
「そこに宿っているのが、お袋さんだよ。茜を、今まで守っていたのは明日香さんだ。だから、茜に害意のある上総に反応したんだ……」
――ペンダントに、宿っている?
お母さんが?
「ええっ!?」
ようやく、言葉の意味が脳内に到達した茜は、今度は呆然と、手のひらの上で輝く青い石を見詰めた。
茜の母・明日香は、一族の中でも、最も濃い血と力をもったサラブレットだった。
それが、神津衛と出会い、平たく言えば、「駆け落ち」してしまった。
ただその時既に、更に又血の濃いサラブレットの茜が宿っていた。
そして茜が生まれると明日香は、その力の半分を勾玉の石に封印し、茜を守り続けていたのだ。
おそらくは、茜の血統を狙って追っ手が掛かることを予見して――。