ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
十八年前。
鬼隠れの里を脱出してから、父と母の辿った道。
それは、きっと平坦では無かったはずだ。
衛にしてみれば、茜は血のつながらない子供。
それも、地球人ですらないと来ている。
でも、茜は今まで一度として、衛が実の父親ではないなんて思ったことは無かった。
今でも、自分の父親は衛意外には居ないと思っている。
「……お父さんって、凄い……」
呟く声が、浴室に反響する。
研究一筋で愛妻家。
気の優しい父にそんな激しい一面があったことが意外でもあり、また、ちょっとうらやましくもあった。
そこに、どんな紆余曲折ががあったのかは知るよしも無いが、茜の知っている二人は、娘の茜が見ても仲の良い夫婦だった。
いつか結婚して家庭を持つのなら、二人のような夫婦でいたいと、そう思っていた