ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「結界を破壊させて、何になるんです? この里の者は、ただ故郷の星に還りたい、そう願っているだけですよ? それを壊してしまえる理由が、あなたにあるんですか?」
びゅっ、びゅっと鬼の腕で空を切りながら、上総が問う。
「あるさ。俺は、茜を守りたい。そのためには、あんたのように、何百年も生きてる鬼にウロウロされては困るんでね。結界がなくなれば、あんただって普通に年老いて死ぬんだろう?」
敬悟が、上総の足をひょいと払う。
ざっと倒れ込む上総に馬乗りになると、上総の右肘の上をがっちり押さえ込み、そののど仏をぐっと掴み上げる。
「ぐぅ……」
上総が声にならぬ声を上げて呻いた。
「いくら鬼でも、ここを潰されれば死ぬだろう?」
締め上げる腕に力を込める。
「や……れっ。殺…せ」
交錯する鋭い眼光――。
それは、確かに似た光を放っていた。