ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
15 青い闇の果て
はあ、はあ、はあ――。
息が上がる。自分の心臓の音しか聞こえない。
茜は、ひたすら走った。
辺りがだんだん濃密な『青い闇』に支配されると、今度は、手探りで歩いた。
洞窟の奥――。
そこは紛れもなく、あの『青い闇』だった。
途中までは確かに普通の薄暗い洞窟だった。
だが、あるところを境に、空間が変わった。
丁度そう、鬼隠れの里に入る石の鳥居をくぐった時に感じた違和感。
茜は、あの時に似ていると思った。
岩肌は見えなくなり、歩いている地面しか認識出来ない、まるで無限の闇――。
不安に駆られ後ろを振り返ってみても、同じように暗闇が広がっている。
茜は一瞬にして自分がどちらから来たのか、分からなくなった。
ゾクリ、と恐怖感が沸き上がる。