ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
パシィィン――。
鋭い炸裂音が響き渡り、ほとばしる赤い閃光が、呆然と空を見詰める茜を照らし出した。
今、茜の目前で繰り広げられているのは、初めて目にする鬼同士の言わば『超能力戦』だ。
上総と敬悟が戦った時とは、明らかに違う。
上総が使ったのはあくまで己の肉体の力のみで、こんな特殊な能力をぶつかり合わせるような戦い方はしなかった。
クォーターである敬悟に有る能力が、ハーフである上総には無かった――とは考えづらい。
仮にも、あの男は鬼の一族を統べる立場にあったのだ。
「あえて、使わなかったの?」
なぜ?
疑問と共に浮かんだ上総の怜悧な瞳が、茜の脳裏を過ぎる。
分からない。
何を考えているのか、全く分からない男だった。
実は、そんな能力は無かったのかも知れないし、他に何か能力を使わない理由があったのかも知れない。
上総が敬悟と血を分けた実の親子であることを知るよしもない茜には、その理由を想像することすら困難だ。
それは、当の敬悟も同じではあったが――。
バン!
再び上がった炸裂音に、考えに沈んでいた茜はハッと我に返り、慌てて敬悟の姿を目で追った。
「え……?」
茜は我が目を疑った。
敬悟の、鬼の変化が解け始めていた。
鋭い炸裂音が響き渡り、ほとばしる赤い閃光が、呆然と空を見詰める茜を照らし出した。
今、茜の目前で繰り広げられているのは、初めて目にする鬼同士の言わば『超能力戦』だ。
上総と敬悟が戦った時とは、明らかに違う。
上総が使ったのはあくまで己の肉体の力のみで、こんな特殊な能力をぶつかり合わせるような戦い方はしなかった。
クォーターである敬悟に有る能力が、ハーフである上総には無かった――とは考えづらい。
仮にも、あの男は鬼の一族を統べる立場にあったのだ。
「あえて、使わなかったの?」
なぜ?
疑問と共に浮かんだ上総の怜悧な瞳が、茜の脳裏を過ぎる。
分からない。
何を考えているのか、全く分からない男だった。
実は、そんな能力は無かったのかも知れないし、他に何か能力を使わない理由があったのかも知れない。
上総が敬悟と血を分けた実の親子であることを知るよしもない茜には、その理由を想像することすら困難だ。
それは、当の敬悟も同じではあったが――。
バン!
再び上がった炸裂音に、考えに沈んでいた茜はハッと我に返り、慌てて敬悟の姿を目で追った。
「え……?」
茜は我が目を疑った。
敬悟の、鬼の変化が解け始めていた。