ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
地面の震動を手のひらでたぐるように、這い進んで行く。
人間、進む方向性が決まると図太くなるらしく、「こんな格好、人には見せられないなぁ」などど、呟く余裕が出てくる。
どれくらいそうしていただろうか。音が大きくなるにつれて、周りがほの明るくなって来た。
「いったい、どんだけ広いのよ!?」
奇妙だった。
明るさは確実に増して来ているのに、相変わらず、周りがどうなってるのか把握が出来ない。
よほど、広大な空間なのか、もしくは……。
「何もない、なんてことないでしょうね!?」
嫌な汗が、背中を伝い落ちる。
一瞬、自分が異次元にでも迷い込んでしまったような錯覚に陥る。
少なくとも、手のひらに感じる地面は普通の土だ。
壁や天井は見えないが、おそらく、そんなに突拍子のない物であるはずがない。
そう自分に言い聞かせる。
と、突然、視界が開けた。
青い闇の中、そこだけが、スポットライトを当てたように浮かび上がり、人がいた。
明るい色の長い髪が、目につく。
――髪の長い、女の人?