ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
茜はホッとした瞬間、自分がモグラよろしく地面に這いつくばっていることを思い出し、慌てて立ち上がった。
「あ、あのこれは、暗くてよく見えないのでどうしようかなと思ったら、地面が震動しているのに気がついいて、それを辿ってくれば誰かに会えるんじゃないかなぁ、なんて思ったわけで……」
照れ隠しにまくし立てながら、ホコリで真っ白になっているはずの制服のスカートをぱんぱんと払うと、女の方へと歩き出した。
だが、女からの答えは無く、最初と同じ姿で茜に背を向けて立っている。
かすかな違和感を感じて、茜は眉をひそめた。
聞こえなかったのかな?
「あの、すみません! ここはどこですか!?」
歩み寄りながら、最初よりもボリュームアップした声をかける。
今度はその声が届いたのか、女はゆっくりと振り向いた。