ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
「探す当てはあるのか? それとも、当てもなくただ探し回るのか? 学校はどうするんだ?」
微妙に険のある敬悟の言葉に、茜の元来きかん気の強い性格が刺激される。
「私は! 私は、この石がなんなのか知りたいだけ。敬にぃは関係ないんだから放っといてよ!」
ふてくされて『ぷうっ』と頬を膨らます茜をの反応を予測していたように、敬悟は、目を細めた。
その瞳には、悪巧みが成功して得意満面の悪戯小僧のような、少年めいた光が踊っている。
「仕方ないな、俺も付き合うよ。お前一人で行かせたら、親父さんの胃に穴があくの確実だからな」
ニコニコ笑顔の敬悟に額を『こつん』と指で弾かれて、茜の感情メーターは一気に上昇した。
「敬にぃは、そんなお節介ばっかり焼いてるから、いい年して彼女の一人もできないのよ!」
完全に頭に血が上ってる茜は、思ってもいないことを口にする。
「そうかもな」
茜の渾身の一撃をさらりと受け流し、愉快そうに笑う敬悟の態度が面白くない茜は、更にふてくされて、頬をいっそう膨らました。