ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
敬悟が漏らした笑い声にむっとして、茜はいくらか目が覚めてきた。
だがまだ半ぼけ状態で、頭がすっきりしない。
窓の外では、知らない街並みが風のように後ろへと飛び去っていく。
同じスピードで走る車の列は何者にも遮られることなく、スムーズに流れていた。
その単調さが又、茜の眠気を誘う。
「今朝早かったからな。もう少し寝ていてもいいぞ。どうせもう1時間は掛かるからな」
まだ眠りに落ちそうになっていた茜は、敬悟の言葉の意味を飲み込むのに数瞬を要した。
ん?
「え、えっ!?」
その意味が分かった瞬間、眠気が一気に吹っ飛んでしまった。
「い、1時間って、行き先決まってるの!?」