虹の中の観覧車
パフェの上にのっていたサクランボをくわえながら詰め寄ってくる。


「ま、まてっ!悪かったよ!確かに。な、待て。落ち着け。」


「塁くーん助けてーって言っただろ!?」


「言った!言った!確かに言いました!ごめんなさいっ!」


「わかればよろしい。」


パフェに戻ってサクランボの種を出した。

「今年は大丈夫だよな?」


「はい。大丈夫です。塁様に御迷惑は絶対かけません。約束します。」


「よぉし。甘い誕生日にするように。」


「了解しました。」


去年の誕生日。

確かに塁を付き合わせ、一晩中飲み明かした。

その日は、たまたま最後の仕事が事務所での雑誌の取材だった。

それで社長がシャンパンなんぞを開けてくれて。



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